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「総合労働相談員」という仕事



 全国の殆どの労働基準監督署には、「総合労働相談コーナー」という総合労働相談窓口が設置されています。
 その総合労働相談コーナーには、「総合労働相談員」という専門の相談員が配置されています。
 総合労働相談員は窓口に来られる方々の相談対応の他、都道府県労働局長の委嘱を受け、労働局長になりかわって、事業場に対して助言指導を行ったりもします。
 実はこの総合労働相談員、その殆どが社会保険労務士の有資格者です。
 現在、全国の労働局で平成24年4月以降の総合労働相談員の採用に向けて、採用面接が行われている状況です。
 今回はその総合労働相談員の仕事内容についてご紹介します。



 総合労働相談員の仕事をメリット、デメリットに分けてご紹介します。

【メリット】
1.労働分野の実務の知識が身に付く
 総合労働相談コーナーが配置されている労働基準監督署には、労働基準監督官をはじめ、労働分野のエキスパートが揃っています。
 法律知識、判例、実務上の取り回し方、届け出の要件等、本を読むだけでは身に付けられない「生きた知識」を沢山吸収することが出来ます。
 将来的に労働分野専門の社労士を目指したいという方には、うってつけだと思います。

2.困った人の助けになれる
 総合労働相談コーナーには日々沢山の相談者の方がお見えになられます。
 相談員の対応次第で、その方にとって良い結果を導き出すことも可能です。
 勿論、法律や判例などの知識があるだけではうまくいかず、相手とのコミュニケーション能力や説明能力などがかなり必要にはなりますが、経験を積むことによってそれは身に付けられると思います。
 責任は重大ですが、その分遣り甲斐はあると思います。

3.労働トラブルの対処の仕方が分かる
 基本的に総合労働相談員は、事業主や労働者といった労働関係の法知識などがあまりない方を相手にします。
 法律や判例だけではいかに無力か、法律で決まっていても納得しない事業主をどう説得するか、法外な要求を突き付けてくる労働者にどう対応するかなど、生きた労働トラブルを解決するにはどうすれば良いかということが、身をもって体得できると思います。

4.労働行政のスタンスが分かる
 労働行政、その中でも労働基準行政のスタンスがよく分かると思います。
 事案の中でも特に重要な点、届出等の着眼点、事案の処理の進め方など、社労士業を行っていくうえで知ってても損はないと思います。

【デメリット】
1.罵声を浴びせられたり、脅されたりすることがある
 窓口には様々な方がいらっしゃいます。
 昨今のマスコミ報道や世論の風潮から、基本的に行政機関そのものに不信感を抱いている方が、非常に多くいらっしゃいます。
 中には総合労働相談員に対して、暴言を吐かれたり、罵声を浴びせられたり、脅されたり、最悪の場合、危害を加えられたりすることもあります。
(私自身、怪我はしたことないのですが、しそうになったことは何度もあります。)
 特に都市部の労働基準監督署の方が、そのような傾向が強いと思われます。
 都市部の某労働基準監督署では、火炎瓶を投げ付けられたところもあったようです。
 また、某ハローワークでは、窓口対応した相談員が、相談者に火を付けられ、大火傷をしたという事案もありました。
 行政機関の相談窓口は、ときどき戦場と化します。
 そのため、強い、強い精神力と、咄嗟のときに適正な行動がとれる判断力が必要です。

 
2.業務内容に見合った報酬になっていない
 ハッキリ言って総合労働相談員の業務は、楽とは言えません。
 前述したように、非常に精神的負荷が高い業務です。
 労働基準行政全体にも言えるかもしれませんが、このような精神的負荷に対して、報酬額が見合っているとはとても思えません。
 

3.月15日出勤である
 1月当たりの出勤日数は15日となっています。
 月に15日相談員業務が入ってくると、本来の社労士業務が出来なくなる方が大勢いらっしゃいました。
 これがネックです。
 状況によっては、月に7日~8日の勤務に例外的にできることもあるようですが、あくまで15日が原則です。
 このために採用面接を断念される方が多くいらっしゃいます。
 


 以上のようなメリット、デメリットがある総合労働相談員ですが、社労士さんの中で、困っている人の助けになりたい、労働トラブルを処理できるようになりたい、労働関係の法律に強くなりたい等、お考えの人は是非一度採用面接にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

 ちなみ、社労士資格を保有していることは、総労働同相談員の必須要件とはなっておりません。
 資格がない方でも採用面接を受けることは可能です。
 しかし、大勢の方が採用面接に臨まれる中で、窓口で即戦力となる人を採用したいため、社労士資格等がない場合は、「過去に人事労務の仕事をしたことがある」とかの経験がないと、他の人が選ばれる(採用されない)可能性があります。


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テーマ:社会保険労務士 - ジャンル:ビジネス

2012/03/10 (Sat) 10:33 |労基署の特徴 |トラックバック(0) |コメント(3)

コメント

経験のない社労士は?

はじめまして、らぴすと申します。
社労士試験に合格したばかりで実務経験はゼロです。

ハローワークで労働基準相談員の求人を見たのですが、
この仕事に就くにはどのような事前準備が必要ですか?

試験に受かったというだけでは、法知識も判例も乏しく、
到底相談にのれるような状況ではありませんが、
いったいどのようにすれば、相談員としての仕事が
できるようになるのでしょうか。

ばかな質問でお恥ずかしいばかりですが、よろしくお願いしまうs。
2012/12/15 (Sat) 15:37| URL | らぴす #rYLkpI4k [編集]

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです
2012/12/16 (Sun) 23:00| | # [編集]

ハローワークでのお仕事

ハローワークで非常勤として働く場合は、助成金なら社労士、職業相談なら、キャリアコンサルタントの資格が有利です。労働基準相談員は、あまり聞いた事がありませんが、名称どおりなら、労働法に精通した社労士が有利だと思います。従って、事前準備は、労働法の諸問題Q&Aを通読しておけばよろしいのではないかと思います。但し採用要件としては、企業の人事部の管理職キャリアが必要でしょう。
2013/02/16 (Sat) 10:03| URL | 赤ひげ労務年金相談事務所 #kkK.mvBo [編集]

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監ちゃん55

Author:監ちゃん55
 都市部の労働基準監督署に勤務する行政歴十数年の中堅の労働基準監督官です。
 毎日、沢山の方からの労働相談を受けて、それに対応する仕事をしております。
 そんな中で、社労士さんは、労働者の情報を基にすれば、もっと業務の幅が広がるのではないかと思っていました。
 従来型の社労士さんには、受け入れ難い内容かもしれませんが、これまでの固定概念の枠を超えて、活躍の幅を広げたいと考えていらっしゃる社労士さんは、是非お立ち寄り下さい。
 何か業務のヒントになるかもしれませんよ。
 なお、このブログに掲載する内容は、行政機関の公式見解ではなく、あくまで私的意見です。ご留意下さい。

(当ブログと直接関係のないコメントや、特定の個人や企業を攻撃する目的と思われるコメントについては、削除させていただくことがあります。)

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